◯車内での急なおしっこは緊急事態

車での家族旅行はとても楽しくて絆を深めるものですが、その移動の最中にはいろいろなトラブルが付きものです。
その中でもかなりの緊急事態なのが車内で急におしっこを催した人がいる場合で、すぐに停車してトイレに行ければよいのですが、最悪の場合車内でおしっこを漏らすことがあります。
こういった事態になりがちなのは赤ちゃんや幼い子供さんで、赤ちゃんの場合はおむつから溢れたおしっこがチャイルドシートや車のシートを汚してしまいます。
子供さんの場合にはおむつが取れたあとでも長時間乗車すると緊張してしまったり、渋滞に捕まるとがまんできず漏らしてしまうことも。
または尿意を催しても恥ずかしさから言えなかったりして、結果的におもらししてしまうことがあります。
そんなときにはまず車を安全なところに停車させ、おむつや下着の交換などおもらしの処理を行わなければなりません。
しかし処理が終わった後でも非常に大変なのが、漏れたおしっこが車のシートやカーペットを濡らしているときです。
シートやカーペットは吸水性のある素材を使っているため染み込んだおしっこはなかなか取り切ることが出来ず、不衛生であると共に臭いも気になります。
今回の記事ではこういう緊急事態の際に行う初期の対処方法や、きれいにするためのクリーニング方法をご紹介しますので、小さなお子さんのいらっしゃるご家庭で旅行を考えている場合には一読をおすすめします。
◯車内のおしっこ漏れの初期対処方法

車内でおしっこが漏れてしまったときにはとにかく漏らした人の対処が最優先です。
一般道であれば近くの道端に駐車して対処できますが、高速道路となるとタイミングよく停車出来ないため、うまく車内で処理をするかもっとも近いSA、PAまでたどり着いてから処理します。
その後の処理については、一度染み込んだおしっこを外出先で完璧に処理するのは難しいので、その場でも可能な初期対応を行います。
おしっこの漏れの規模にもよりますが、大抵はズボンやおむつでは留まらず座っているシートや足元のカーペットに垂れてしまいます。
少しでも漏れたおしっこを回収するために、ティッシュや乾いたタオル、トイレットペーパーなどを濡れたところに押し付けるようにし、できるだけおしっこを吸収させておきましょう。
あまりゴシゴシこすると汚れを拡大させてしまいますので要注意。
またおしっこの臭いが車内に充満したときには、各種消臭スプレーを利用するのが便利です。
消毒用アルコールスプレーや家庭用の消臭スプレーでもある程度の効果は望めますが、ホームセンターやペットショップなどでおしっこ等の消臭に特化した製品もあるので、できれば手近なお店で購入できればベストです。
完全にきれいに出来るわけではありませんが、少なくとも自宅に帰るまでの間の対処としては十分です。
なおおしっこの処理をする際には細菌感染対策としてゴム手袋などがあると良いですが、なかなかそこまでの備えはないので買い物袋などで代用すると良いでしょう。
◯車内のおしっこ漏れのクリーニング方法

車内に漏れたおしっこは初期対処である程度はきれいにできるものの、シートやカーペットの奥に染み込んだおしっこは残ったままです。
そのまま時間が経つと細菌が繁殖して不衛生になってしまうので、しっかりしたクリーニングは自宅で行いましょう。
クリーニングに重要な役割を果たすのが重曹水で、おしっこは酸性の液体なので中和できるアルカリ性の重曹が便利です。
重曹の粉をお湯に溶いてつくっても良いですが、重曹水として販売されている製品を利用すると楽です。
そのほかクリーニングに際しては次のような道具を揃えておくとしっかり清掃できます。
・重曹 または 重曹水
・お湯
・雑巾
・乾いた拭き取り布、ペットシーツ等
・感染予防のゴム手袋、マスク
【クリーニングの手順】
車内の一般的なカーペットやファブリック(布製)生地のシートに対しては次のクリーニング手順が使用できます。
ただし本革シートの場合には手順が変わりますので、シート仕様によって方法を変えましょう。
①まずはゴム手袋、マスクを装着し感染対策を行います
②重曹水を用意し、使いやすいように市販のスプレー容器に入れておく
③おしっこが染み込んだ箇所に重曹水を浸透させ、染み込んだ水分を吸収するように拭き取り布やペットシーツを押し付ける
④残った重曹を取り除くため乾いた雑巾などでシート、カーペットの表面を拭く
⑤車の窓を空けて空気の通りを確保する
⑥おしっこで濡れた部分が乾くまで自然乾燥させる
汚れの規模にもよるが1日程度置いておけば十分乾く
⑦完全乾燥後に臭いが残るようであれば、もう一度重曹水でのクリーニングを繰り返す
【本革シートには専用のクリーナーを使う】
本革シートは高級感のある素材でハイグレード向けに設定されていますが、本革はファブリックシートよりも薬品等に弱いためクリーニングには注意が必要です。
本革シートにアルコールスプレーや重曹水スプレーなどを使用すると表面にひび割れを発生させたり、変色させる恐れがあります。
本革シートはファブリックシートほど吸収はよくありませんが、それでもシートの内側におしっこが染み込んでしまっているので基本的には表面の拭き掃除ぐらいしかできません。
本革シートの場合にはお湯を雑巾に染み込ませておしっこの染み込んだ部分に浸透させ、そこに乾いた雑巾などを押し付けて吸水させましょう。
ただしそのままでは消臭効果などは期待できないので、本革シートにも使用可能な消臭スプレーを利用しニオイ対策を行います。
◯車内のおしっこ漏れの消臭対策
おしっこ漏れの箇所は重曹水によるクリーニングでかなりきれいにはなりますが、臭いについてはどうしても取り切れないこともあります。
シートの内側に染み込んだおしっこは時間と共に細菌が繁殖して臭いの原因となりますし、おしっこの元々のアンモニア臭も気になります。
一般的な家庭用の消臭剤では吹き付けた直後は良くても時間が経つとまた臭いが出てくることがあり、あまり効果的ではありません。
ですが近年は排泄物の臭いを消臭できるスプレーが市販されており、ペット用品等は強力な消臭効果がありますのでうまく活用すればしっかり消臭できます。
中には車用の強力消臭スプレーもありますので、安心して利用できるでしょう。
またおしっこの場合には消臭だけでなく殺菌効果のあるスプレーも利用するとよく、ノロウイルスや細菌などに対する強力な殺菌効果のスプレーを使うと安心です。
ただしおしっこがチャイルドシートに染み込んでいる場合には、赤ちゃんや幼い子供さんに悪影響を及ぼさないベビー用品の抗菌、消臭スプレーを使用しましょう。
チャイルドシートの場合には取り外しての洗浄や乾燥も出来るので、車のシート本体よりは対処しやすいです。
◯シミ取りも大変
おしっこが染み込んだシートやカーペットは汚れや臭いも気になりますが、重曹水によるクリーニングが終わった後にシミが残ることがあります。
おしっこの汚れは時間が経てば経つほどシミになって残るもので、徹底的に清掃したとしてもなかなか取りきれません。
シミを残さないためにはおしっこが漏れた直後の初期対応でしっかり取り切ることが肝心ですが、実際には外出中の車内で出来ることには限界があります。
自宅でクリーニングして乾燥後でなければシミが残るかどうかわからないので、どうしても後からの対応になるでしょう。
シミの対処に効果的なのは衣類などにも利用できる漂白剤で、本革シートには使用できませんがファブリックシートであればシミ消しは可能です。
使用する漂白剤は塩素系ではなく酸素系漂白剤が適しており、塩素系は強力すぎるのでシートの色落ちや臭いの問題があるので使わないようにしましょう。
酸素系漂白剤についてもある程度色落ちする可能性はあるので、使用に際しては少量の漂白剤を布につけてシミ部分に染み込ませ、そのあと乾いた布で拭いた後に乾燥させます。
本革シートの場合には専用の洗剤やクリーニング剤で多少は対処できますが、漂白剤ほどの効果は見込めないのでシミはどうしても残ります。
◯プロのクリーニングサービスは必要か?
車のシートやカーペットにおしっこが染み込んでしまったときには、とにかく初期の対応でしっかり取り切ることが重要です。
染み込んだおしっこの大部分をティッシュなどに吸収させておけば臭いやシミの発生は少なくなりますが、実際にはおしっこは染み込みやすいのでシートやカーペットの奥に残ってしまうでしょう。
そうなると、どれだけ表面をクリーニングしたとしても後から臭いに悩まされることもあり、自宅での清掃には限界があります。
染み込んだおしっこは時間が経つと細菌が繁殖してにおいが強くなってきますし、シートやカーペットから発生した臭いが車の天井など他のところにも吸収されていきます。
そこまで臭いが染み付くととても個人で満足なクリーニングは厳しくなるでしょう。
そんなときはプロのクリーニングサービスにお願いするとよく、プロはまずシートやカーペットなどを取り外した上で徹底的な清掃を行ってくれます。
シート全体の洗浄やカーペットの洗浄だけでなく、取り外したあとの車内の床や天井まで清掃可能なので車内全体がきれいになります。
シミ取りについても専用の薬剤やクリーニング法で見違えるようにきれいになるので、長期間臭いやシミに悩むよりは思い切ってプロに依頼しましょう。
またプロのクリーニングサービスでは本革シートに対する処置も可能ですので、本革シート仕様の場合は即座に依頼することをおすすめします。